冷凍庫は食材を保存する場所でもあるけど、少し考え方を変えてみると
冷凍庫は原価を下げるためのストック場所と考えるとコスト削減に結びついていきます。
結論から言うと冷凍庫に眠っている食材はコスト削減していくために保存していく場所と考える
つまりコスト管理のために冷凍庫を活用するという内容を書いています。
目次
そもそも冷凍庫を使うのはなぜ?
冷凍庫は原価を下げるためのストック場所だけじゃないだろ!!
と突っ込みを入れられないために初めに書いておかなければならないことがあります。
それは冷凍庫を使う理由は時と場合によって人それぞれ。
- 保存に使う時
- 仕込みで使う時
などが冷凍庫を使う理由と考えられます。
ですがこの記事は冷凍庫は原価を下げるためのストック場所について書いていきますので、
テーマが違います。
冷凍庫の役割としてコスト削減するためにテーマを置いて書いています。
食材の回転率を考えよう
できるだけ食材の鮮度がよいうちはなるべくなら冷凍保存したくないものです。
このような場合は食材の回転率を上げて冷凍庫行きを回避していきましょう。
それでも冷凍庫に入れなくてはならない場合は
↓
悪くなる前に冷凍庫に入れる
悪くなる前に冷凍庫に入れましょう。
冷凍庫の中にあるから食材はいつでも新鮮だと勘違いしてはいけません。
もしかしたらぎりぎりの食材があるかもしれません。
そんなことにならないようにするには食材が悪くなる前に冷凍庫に入れることが大切ですよね。
解凍したときに「これやばいんじゃね。。。」なんてことにならないようにするためには
冷凍する前にカテゴリー分けをして食材の状態を把握しておくことをお勧めします。
鮮度がよい食材・・・A
少し日がたってしまった食材・・・B
悪くなってしまったけどまだ使える食材・・・C
こんな感じに書いておくと調理法もある程度決まっていきます。
その理由は後述します。
自分ひとりでやるなら管理はできるよね!?
このように冷凍庫にしまう前に油性ペンで書いておくと誰にでも把握ができるようになるので
食材を解凍した時の状態がわかるようになっていきます。
そんな面倒なことがしたくないというのなら、悪くなる前に冷凍庫に入れて保存しましょう。
または食材の期限を決めて冷凍するならする。しないのなら加工調理をしていく。
このような管理していくことです。
これは役割分担をして決めていきましょう。
以前働いていた職場では私が管理していました。
コスト削減するために冷凍庫の整理整頓をしておこう
冷凍庫の中身を把握するということはコスト削減に結びつきます。
冷凍庫の整理整頓ができていないとコスト削減には結びつきません。
ここで冷凍庫の整理整頓術を書きました。
冷凍庫の整理整頓術
冷凍庫の整理整頓術は食材専用のラックをいくつか用意します。
(肉なら肉、魚なら魚。。。といった感じに)
そこで食材の状態をカテゴリー分けします。
- 鮮度がよい食材・・・A
- 少し日がたってしまった食材・・・B
- 悪くなってしまったけどまだ使える食材・・・C
これは先ほど説明したとおり。。。
まとめるとこんな感じにして整理整頓をしていきます。
↓
食材 | 鮮度良い | 鮮度普通 | 鮮度悪い |
肉専用ラック | A | B | C |
魚専用ラック | A | B | C |
野菜専用ラック | A | B | C |
その他ラック | A | B | C |
それぞれの専用ラックと状態を「ABC」と分けることで、調理法を決めることもできます。
なぜ調理法を決めることができるのかというと理由があります。
なぜなら状態によって調理法は変えたほうがいいからです。
鮮度が悪いものを「肉のタタキ」のように使うのは良くありません。
また鮮度の良いものをわざわざ「完全に火入れ」するような調理法をしてしまうのは食材がもったいない
なので食材の状態によって調理法を決めていきましょう。
冷凍庫の中身を把握することで新しいメニューを作りコスト削減していこう
冷凍庫の中身を把握することで新しいメニューを作りコスト削減することができます。
これはどういくことかというと、常に冷凍庫の整理をすることでどんな食材が冷凍庫に眠っているのか
把握することで新しいメニューが作れます。
鮮度がよいので普通に使える
例)牛肉のステーキなど
理由:鮮度が良いので「味、風味」ともに本来の力を持っているので余計なことはしなくても良い
ダイレクトにその食材の味を味わってもらいたい場合など
少し日がたってしまった食材なので下処理と加工調理が必要
例)ヒラメの香草カツレツとか。。ミラネーゼとか。。。
理由:「味、風味」ともに落ちてしまっているので何かと+していくことで「味と風味」を補えるので加工して使おう
(香草カツレツ:ハーブを入れることで魚の風味を補う)
(ミラネーゼ:パン粉にチーズが入るので風味と味を補える)
確実に火入れする調理法を使って消費できるようにしていく
例)パスタソース、ラグー、
理由:状態の悪くなったものは簡単な調理だと味でバレます。
なのでしっかり火入れをし風味を補うようにスパイスやハーブを効かして美味しくできるように工夫をしていきます。
※野菜Cは何に使えばいいの?
私ならこう考える!!
悪くなってしまった野菜C の場合は、私なら調味料として考えます。
例えば玉葱はみじん切りにしてソフリットにします。
また玉葱のよさを生かすためにしっかりと炒め甘味調味料として使えるようにして考えていきます。
酸味のある料理には甘みを足すことで酸味を抑えることができ、味の奥行きも出てきます。
例)アグロドルチェ、など
補足説明
ソフリット: 野菜の甘みと旨みを手軽に料理に加えることができ、イタリア料理の隠し味
直訳すると「揚げるように炒める」このことから、たくさんのオイルを使って炒めるのが基本です。
アグロドルチェ:甘酸っぱいの意味
※アグロドルチェで玉葱を使う場合はピューレにして使うほうがいいでしょう。
酸味のあるソースやブイヨンに入れて溶かすように入れることで甘みのある玉葱は砂糖の代わりになるからです。
例えば肉なら肉でまとめてパスタソースにするとか、ラグーにするとか、ハンバーグにするとか、
パテにするとかテリーヌにするとか。。。
魚ならまとめてカルピオーネにするとかコロッケにするとかブイヨンにするとか。。。
野菜ならブイヨンやピューレにするとか、フォンデュにするとか。。。。
考えればいくらでも活用できます。
自分の店に置き換えて考えてみよう。
解凍するときの注意点
食材を冷凍するということは解凍の際水分が多く出てきます。
ドリップ現象です。
これを防ぐにはなるべく冷蔵解凍することが大切です。
しかし急ぐ場合はアルミの上に食材を置いておくと解凍は早まります。
なぜならアルミは最も熱伝導が良いからです。
つまり室温に一番近い温度になるから解凍も早いです
また真空ができる状態なら流水解凍がいいですね。
解凍するときはこのようなことを意識して解凍していきましょう。
悪くなっているものを解凍するときは雑菌が繁殖しやすいのでなるべく速やかに解凍をするか
冷蔵解凍を心がけ雑菌の繁殖を増やさないようにすることが大切です。
また、このようなことからこんなことが考えることができます。
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冷凍庫は原価を下げるためのストック場所
新しいメニューを作ることでメニューの品数や料理の質を高めることができるようになります。
また余った食材同士をあわせることでオリジナルの料理だって作れるようになっていきます。
例)牛肉のビステッカ+ゴボウのラグーの入ったマルサラソース
ねっちょっとは質が上がったでしょ。。。
このように質を高め、コストも下げることもできるので、冷凍庫は原価を下げるきっかけになるともいえます。
このように冷凍庫は直接コストを下げる役割を果たすことにもつながっていくので
考え方によっては冷凍庫は原価を下げていく場所ともいえます。
補足説明
ビステッカ:ステーキのこと
ラグー:細かく刻んだものを指す
マルサラソース:マルサラワインというシチリアの特産品のワインで4大酒精強化ワインのこと
原価を下げるためメニューの枠を用意しよう
原価を下げるためにはそれを提供していく枠が必要となっていきます。
それはどんな枠かというと、決まっていないメニューをお客様に提供する場所です。
例えば「本日のオススメ」という枠では何でもいいのでメニューを作り、売っていくことができますよね。
「本日のオススメ」は回転率が高いですから合わせてコストの削減に役立ちます。
もちろんオススメするにはそれなりの売っていく手段を考えなければなりませんけどね。。
例えば説明文ですね。説明文を書いてお客様の興味をひきつけましょう
それについて書いた記事はこちらです。
↓
またはPOPを作るとか看板メニューにするとか、スタッフが説明し売っていくようにするとか
いろいろ考えることができますよね。
私が料理長をしていたときは。。。
常に冷凍庫をあさって使えるものはないかと探し回ったものです。
それはコスト管理をしていくためです。
冷凍庫の中をたな卸しすることで新たなメニューを作りそれを売っていくことで利益になっていきます。
なので本日のオススメ料理という枠はそのために使う枠だと考えて冷凍冷凍庫をあさっていました。
なので本日のオススメを作るために新しく食材を仕入れることなんて滅多にしませんでした。
原価が上がるし。。。
まとめ
このように冷凍庫は原価を下げるためのストック場所です。
あらゆる事を考えて工夫によっては原価を下げることができます。
仕入れたものを保存する場所だけではなくて冷凍庫に今眠っている
食材を呼び起こしてコストの削減に努めよう。