今回は私の本職である料理の仕事についての優先順位のお話をしていきます。
この仕事の優先順位は私たちにとっても、お客様にとっても良い状況を作るための仕事術です。
料理って段取りが全てです。
この段取りが上手くいってないと、初めから最後まで良い仕事ができるとは思いません。
今、一生懸命料理を作っている人から、これから料理を学んで行こうという方にとって一つの指針になれば幸いです。
またこの記事は営業中を想定した優先順位となっています。
では早速行ってみましょうか!
料理の仕事の優先順位の概論
料理の仕事って大変ですよね?
今でこそ1から10まで全て料理を作っている飲食店は少なくなってきているとは思いますが、
私がこの料理の道に入った時の初めの店はほぼ全て1から10まで料理を作っている店でした。
まともに料理の勉強をしてこなかった私は苦労が絶えませんでした。(^_^;)
当時の私は習うより慣れろの精神でしたから・・・wwいや、今でもそうかも・・
そして長い労働時間・・・若い時はみんなが遊んでいる時に仕事してましたから、そりゃ~遊びたいばっかりですよ。
しかも日々、仕事に追われてばかりです。
手は遅い、仕事の段取りも悪い、料理は覚えなきゃいけない、
そして追い回しの仕事も・・・
時には先輩には気を遣い、時には怒られもしました。
怒られる理由も社会に入ったばかりではわからない・・・
そんな毎日を過ごしていました。
苦悩の日々が続きました。
でもそんな日々を乗り越えて今があるんです。
そしてこの業界に従事して20年!
今ではこの飲食業界に育ててもらった恩を感じ、何かできることはないか?と思い立ち、
毎日パソコンの前で一人・・・
これまでの経験から仕事の優先順位というものを、今後の若い世代に向けて作成したら少しは
教育が行き届いていないこの業界の役に立てるのではないか?と思い記事にしていこうと思いました。
教育が行き届いていない前提で話を進めていきますけどいいですか?
いいですよね!!業界全体そうなんだもん!
飲食店のみんなは大変なんです!!
ではっ!料理の仕事の優先順位について語ってみましょうか!!
この優先順位のシチュエーションは営業中とします
因みにホールの仕事の優先順位はこちらからです。
飲食店のこれって最優先?仕事の優先順位と今やるべき仕事を考えよう[ホール編]
キッチンのやるべき優先順位

キッチンのやるべき優先順位はなんといっても料理提供です。
しかしこの料理提供にも優先順位があるんです。
飲食店に従事したことのない人にはちょっと新鮮な情報かもしれませんが、ここは飲食人の為のビジネスサイトです。
現場目線で一方的に書いていきますよぉ~笑
そしてプロ向けです。(  ̄▽ ̄)
一般の人もこの記事を見られていると思います。
プロの料理人は、こんな事を考えながら仕事をしているってところを、垣間見れたら最高だと思います。
ではよろしくっ(^-^)
①料理提供

料理を作る人間にとっても飲食店に来店されるお客様にとっても料理という「キーワード」は同じです。
私達とお客様は手段は違えど同じです。
作る側なのか、食べる側なのかの違いです。
お客様は料理を食べに来店されるんですから私達、料理人の仕事の優先順位は料理提供が必ず1番にきます。
それが私達、料理人の仕事!!
間違いないです。
お客様が来店されて料理がなかなか出て来なかったら飲食店としてアウトでしょ。
なので私達、料理人の仕事の優先順位は料理提供です。
さて、一概に料理提供といっても、出す順番や段取りを考えないとスムーズな料理提供って出来ませんよね?
そこで料理提供の優先順位をつけてみました。
あるイタリア料理店を例にとってみましょうかね。
(私の職歴はほとんどがイタリア料理だったので)
あるイタリア料理店の一例

- ①前菜より早く出す料理・・・・ストゥツキーノやアッフェッタートなど(先付け、すぐでるもの)
- ②前菜系冷たいモノ
- ③サラダ系
- ④前菜系温かいモノ
- ⑤ピッツァ
- ⑧パスタ
- ⑨魚料理
- ⑩肉料理
- ⑪ドルチェ
- ⑫コーヒー
などが挙げられます。
流れはこんな感じで大体のイタリア料理店は料理提供するはずです。お客様も大体こんな感じで認識しているはずです。
料理提供といってもスムーズに料理提供をしなくてはお客様に迷惑がかかってしまいます。
なので料理提供の優先順位で段取りというものを加えます。
この段取りがうまくいっていないとスムーズな料理提供が行えません。
お客様に待たせてしまってはいけません。
言ってみればプロとして失格・・・とは言いませんが改善の余地が大いに残されていることでしょう。
で本題です!!
スムーズな料理提供を行う為の仕事の段取りをお伝えしましょう。
いいですか?これは学校では絶対に教えてくれませんよ。
スムーズな料理提供を行う為の仕事の段取りの優先順位
料理は一にも二にも段取りが必要です。
そして入ってきたオーダーで何から手をつければいいのか、を考えるだけで、
後々スムーズな料理提供ができるかを示しています。
何も考えずに料理提供をすると後々自分が大変なことになるから気をつけましょうね。
ここでシチュエーションを考えてみましょう。
一例です。
アナタは前菜の料理を提供するポジションです。
おや?
早速お客様が注文してきましたね
そしてオーダーが入ってきました。

(※すみません(^_^;)プロ向けサイトなのでオーダーもプロっぽくいきます。)
メニューの解説
- カッポンマーグロ・・・イタリアジェノバ地方のお祝いごとで食べる魚介のサラダで豪華にする
- スーゴ・・・ブイヨンを濃縮させた状態のものを指す
- カルチョフィ・・・アーティーチョーク(アザミの茎軸を食べる)
- フリット・・・天ぷらみたいなもの
- テリーナ・・・テリーヌ(テリーヌの定義はテリーヌ型で型どって調理したもの全般を指す)
- マイアーレ・・・豚の事を指す
初めに考えることは優先順位、そしてやるべきこと~頭の整理~
初めに優先順位を考えないと、やるべき仕事の段取りがスムーズに運べません。
そこで手順を教えましょう。
①オーダーの全体を把握する
オーダーが入ってくると全体的な流れがある程度わかるはずです。
そして今度は自分がやるべき仕事を見つけていきます。
②オーダーで自分の仕事を見つける

赤枠があなたの仕事です
オーダーで自分の仕事を見つけたら、何を考えるべきか・・・
それは時間のかかる料理を見つけていきます。
料理によって温かい料理で時間のかかるものもあれば、冷たい料理で時間のかかるものだってあるはずですよね。
③オーダーで時間のかかるものを見つける

ここで瞬時に判断できれば最高です^^
※カッポンマーグロはサラダですが、食材のパーツが多いと思いますので、
時間がかかる部類に加えました。
④温かいものなのか?冷たいものなのか?見つける

ここで何から取り掛かれば良いか?全体的にまんべんなく料理提供ができるか?
を考えます。
⑤温かいもので時間のかかるものから取り掛かる(温かい前菜系)
ここではフリットの準備に取り掛かります。
ここで取り掛かるのが遅くなれば後々響いてきますので最速で仕掛けていきましょう♪
⑥油に入れるものがあれば油に入れる
この場合はフリットです。カルチョフィとイカを衣に付けて油で揚げていきましょう
⑦直ぐに出る料理を出す。冷たい前菜系
この場合はテリーナを出します。切って盛るだけです。サラダを付けるのであれば準備もしておきましょう
⑧続いて出せるものから準備し、料理を出す
この場合はカッポンマーグロです。マリネしてある魚介を冷蔵庫から取り出し、
サラダを盛って状況に応じて料理提供していきます。
※フリットより仕上げが早ければ先にペルファヴォーレしても良い
⑨油で揚げているフリットを取り出して提供する
カッポンマーグロより早く仕上がるのであれば料理提供していきましょう
⑩残りの料理を状況に応じて提供する
といった感じで私はオーダーをこなしています。
もっとわかりやすく手順を説明していきます。

こんな感じです。
※②と③は状況に応じて提供が前後すると思われますので臨機応変に行いましょう。
また店により役割分担があると思いますので、手分けをして料理提供を行います。
個人店など一人で調理される場合は各自にお任せします。
ここでどうこう言うことではないですからね。
料理提供のまとめ
一概に料理提供を優先順位の1番に持って行っても、何から手をつけるかで後の料理提供に影響するので、
闇雲にオーダーをこなすのではなくてちゃんと頭を整理してから料理提供を行っていきましょう。
ここで格言です!!
結果的に早道したいのなら「急がば回れ」ってことです
考える時間を持って行動に移し、スムーズに料理提供が出来たら最高ですよね!
今からでも遅くありません。
オーダーに追われやすい人がいたら是非実践してみることをオススメします。
考える時間は人それぞれ、仕事の早さも人それぞれですが、やればやるほど、経験すればするほど、
色んなオーダーに対処できるようになりますからね。
経験によりスピードは違いますが、与えられた時間はみんな同じです。
私もあなたもそうです。
同じ時間を過ごしているんです。
ただ体感時間が経験によって違うだけ・・・
アナタなら出来る!!
だって私だって出来るようになったんだから・・・
その為には落ち着いて行動しましょう。
考えずに焦って、しょうもないダメな料理を出してしまっては元も子もありませんからね。
考えて行動するのと、何も考えずに行動するとでは今後大きく変わってきますからね!!
頑張って下さい!!
②他のポジションのサポート

さてと、①の料理提供でスムーズな料理提供が出来たら今度は今一度、オーダーを覗いてみましょう。
アナタの持ち場である前菜の料理提供が終わったらここで仕事が終わりではないはずです。
それはお客様にとってはまだ料理の提供は続いているからです。
そこで次の優先順位は「他のポジションのサポート」です。
※一人で料理をされている方には当てはまらないのでご了承ください
というのはオーダーというのは生き物であり料理にはストーリーがあります。
音楽に例えてみましょう。
音楽に例えると・・・
前菜がAメロだとしたらパスタはBメロです。
Aメロがうまく行かないとBメロはうまく活きていきません。
なので自分の行なった仕事の前菜=Aメロが全てではない事を念頭に入れておいてくださいね。
もちろんお客様にとってもAメロが全てではありませんからね!!
全ての音=セクションがひとつになってこそ料理のストーリーが生まれるのです。
ここでBメロ=パスタのサポートに回り、次のメインであるサビまでサポートを行います。
そしてフィナーレ(アウトロ)のデザートまで料理のストーリーは続いていきます。
以下こんな感じです↓
イントロ=先付
↓
Aメロ=前菜
↓
Bメロ=パスタ
↓
サビ=メイン
↓
アウトロ=デザート
このようにオーダーはストーリーがあるので他のポジションのサポートをしてあげることで、
お客様にとってより良いスムーズな料理提供が出来ます。
また色んな声がけによって一体感が生まれキッチン全体が活気づきます。
そして人にしてあげたことは自分に返ってきますからね♪
この優先順位②の他のポジションのサポートも重要な仕事です。
まずは自分のポジション=イントロ+Aメロをしっかり守ってからBメロ+サビ=サポートができるくらいの余裕があればベストです。
イメージをおまけで見てみましょう
これからお話するこのページは飛ばしてもらっても構いません!!
ここでシチュエーションによって、また日によってポジションの忙しさが異なると思うのでもっと深く掘り下げて考えてみます。
少し音楽と料理のポジションと楽曲のメロディに沿って考えてみましょう
これ!!おまけみたいなもんだから、あまり気にしないでください笑
気分転換にどうぞ^^
~ここからおまけです~
パターン①通常の料理提供の流れ
ちょっとJ-POPの形式を取り入れてみたいと思います
Aメロ~Bメロ~サビ~アウトロ~みたいな流れです笑
イントロ=ギター=先付
Aメロ=ドラム+ギター=前菜
Bメロ=ベース+ギタードラム=パスタ
サビ=ベース+ギター+ヴォーカル+ドラム=メイン
アウトロ=ギター+ヴォーカル~そのままフェードする=ドルチェ
音楽のイメージはみんな知ってるスピッツのアノ名曲「ロビンソン」です。
Bメロの後のサビ(メイン)で盛り上がります♪
名曲ですよね^^
パターン②前半と後半が忙しい料理提供の流れ
Aサビ~Aメロ~Bサビ~アウトロ~みたいな流れです。
イントロ=なし
☆Aサビ=ヴォーカル+ギター+ベース+ドラム=前菜
Aメロ=ヴォーカル+ギター=パスタ
☆Bサビ=ヴォーカル+ギター+ベース+ドラム=メイン
アウトロ=ヴォーカル+ギターそのままフェードする=ドルチェ
曲のイメージはサビから始まる誰もが聞いたことのあるアノ曲です^^
「Heaven Is A Place On Earth」
1980年代の洋楽です
若い世代は知らないかな?
サビから始まるこの洋楽、アラフォーの私には懐かしく感じます♪
懐かしい・・・
それぞれの楽曲は最高なんですが
ちょっとイメージが湧きにくかったかもしれませんね・・・
飲食店の料理提供のシチュエーションと音楽が全く噛み合ってませんよね!!
はい!私がいけませんでしたぁ!
すみません!笑
でもなんとなくこんなイメージで伝えたかったのです
ごめんなさい(;゚Д゚)!
でも気分転換になったかなっ?
~おまけ終わり~
※できれば音楽は聴き終えてから先に進んでくださいね(;゚Д゚)!せっかくの音楽が台無しに・・・
他のポジションのサポートのまとめ
いかがでしょうか?
あなたにとって料理提供の次に大切なこと、それは他のポジションのサポートが大切です。
逆の場合も然り・・・
Aメロをが輝かないとBメロも活きてきませんから、AメロのサポートもBメロ、サビ、デザートの演奏者が
率先してサポートに行ってあげることが大切ですよ。
求めてばかりでは自分には返ってこない!
そして結果、自分が苦しむだけですからね。
お互いwin-winになるようにサポートし合いましょう。
それを意識するだけで私達にとっても、お客様にとっても上手く行くはずですからね。
またそのような循環が出来ると一品一品丁寧に作ることができるんですよ。
それは一人ひとりのの負担の軽減につながるから、より料理提供に集中しやすくなるはずです。
せっかくサポートに入ってくれているんだから、
しっかり準備してきたアナタの料理をお客様に振舞いたいですもんね!!
これがプロの仕事だと思っています。
そして、そのように人を動かすのが料理長の仕事です!!
飲食店の料理長の仕事は最低限これだけはやっておこう!!という記事はまた後日です(^_^;)
③洗い場の仕事

スムーズな料理提供をしていくと、店全体にも良い流れが生まれます。
しかし!クソ忙しい時はしょうがないです!!忙しいものは忙しい!!
(あっ失礼・・・本音が出ちゃいました笑)
忙しい時はそのまま済ませておくのはいけません。ここで司令塔の出番です。
忙しい時ほどリーダーシップが求められます。
リーダーシップはみんなの舵をきる司令塔というお話をまた後日お話をしていきます。
これまでの仕事の流れからすると洗い物がどんどん帰ってくると想定します。
そして司令塔は全体の流れを読みながら、洗い場の仕事を誰かに任せることが、次の料理の安定供給につながります。
クソ忙しい時に、もしも食器やシルバー類が足らなくなったらどうしますか?
お客様のテーブルに運ぶべき料理の乗るお皿がなかったら?
お客様が使うシルバー類がなかったら?
もうその時点で本末転倒ですよね・・・
初めは良くても何回転する店の場合はこのような状況に陥ると完全にアウトです。
流れが全て止まってしまう可能性があります。
洗い場って重要なんです。
※このような事を回避するためには、食器とシルバー類は客席の1.5倍は最低用意しておくのがベストです。業態によりますがね
また洗い場が円滑に回ると後片付けが早く終わりますから早く帰れます。
やった~ラッキーってことになるんです。
ただ注意して欲しいところがあります!
他のポジションがまだ料理提供の仕事に追われているのに自分だけ違う仕事をするのはオカシイ。
だってお客様ありきの飲食店ですよ?
あくまで優先順位は料理提供と他のポジションのサポートが上位です。
洗い物は貯めてお客様の為になる行動に移しましょう。
ここで、アナザーワールドな人、自分だけ違う仕事をしている人の悪い例を紹介しましょう。
洗い場の仕事で悪い例
いるんです。洗い物が下がってくるたびにちょくちょく洗い物をする人・・・
ちょくちょく洗うと疲れるのに、なんでそんな行動をとるのか不思議でなりません。
バカなのか?アホなのか?(失礼しました)
どっちでもいいのですが、今やるべき仕事ってあるわけです。今やるべき仕事が無ければ文句は言いません!!
えっ?洗い物を貯めたくない!?そりゃそうでしょうよ!!自分本位の仕事してたら誰だってそうなります。
とっとと片付けたいんでしょ・・・でも考えてみてください!!
他のポジションのサポートに回り、お客様にスムーズな料理提供をするのが本来の私達の仕事のはずですよね?
なのになんで洗い物ばかりその都度洗うのか意味がわかりません!
だって料理提供をスムーズに早く出したほうが後々食べ終わった料理も下がってくるのは早いはずなのに、
それを気がつかないなんて・・・
そういう人は結果的にどうなるのか先が読めない人なんでしょうね。
残念です・・・とまぁ少し辛口トークになってしまいましたが、この場合はキャパシティが中~大の店に限ります。
個人店や小規模のお店ではこれは当てはめにくい、ということだけご理解ください。
※小規模の店では洗い物を貯めるとスペースのなさから、後々大変になるからです。
ということでキャパシティが中~大の店は洗い物は貯めて、必要に応じて必要な分だけ洗いましょう。
洗い物は後からでも出来る!!
お客様にとって間接的影響はあるけど、直接影響はないでしょ?
ということで優先順位③洗い場の仕事は必要に応じて順位が変動するってことです。
ここでおまけとして洗い場のコツ!皿洗いの やり方を効率よくこなす方法を書いた記事を紹介したいと思います
営業中落ち着いていたらできる事の優先順位
①仕込み

仕込みの重要性は今に始まったことではありませんが、落ち着いた営業中に仕込みができるって嬉しいですよね。
でも急なお客様の来店に備えておくのは常に心がけることが必要です。
ここで営業中にやってはいけない仕込み、仕込んでも大丈夫なものと分けてみましょう
営業中やってはいけない仕込み
仕込みに時間がかかるもの
オーブンやコンベクション、火口を取られるもの
- 煮込み料理
- ブイヨン
- 焼き菓子・・・クッキー、ジェノワーズ(スポンジ生地)、焼き菓子など
場所を取られるもの
- 魚の処理
- 大量の切りものなど
料理の試作
これは仕込みではありませんが営業中にガッツリ試作をすると思わぬ自体が起こることがあります。
また急に来店されるお客様への対応が遅れてしまいます。
意外と料理の試作の後片付けって大変なんです。
料理人としてはこの試作は一品にかける思いが強いですから、洗い物など気にせずどんどん出しますし、
使ったものと使わなかったものとの仕分けが大変なんです。
(あっこれ私の場合ですが・・・)
これは体験した者しかわからない気苦労があるんです。
よっぽどのことがない限り試作に手を出すのは控えたほうが賢明です。
落ち着いて料理の新メニューの試作をしたほうが良いものができますし。
そして飲食店あるあるの一つで、仕込みや試作をガッツリ仕込んでいる時に限ってお客様が来店されるんです。
お客様は悪くないんですよ。
これは神様のいたずらと私は言っています笑
では営業中にやっても大丈夫なものを提案してみましょう
営業中にやっても大丈夫な仕込み
切りもの
- 野菜の下処理
- 煮込み料理を仕込むための仕込み
- ブイヨンを仕込む為の野菜のカット(肉の処理や火入れは避けましょう)
- チョコレートの刻み(チョコペンやチョコレートのデザート用に使います)
計量
- ケーキの計量
- パンの計量
- その他計量
営業で使う備品など
- 紙類のカット(ドイリーや紙コルネなど)
- ※ドイリーはレースペーパーのこと、紙コルネはチョコペンなどにして使います。
- 調味料の補充(塩、胡椒、オイル、酒やワイン、その他調味料)
- タコ糸のカット(肉を縛ったりする用又はその他の使用用途)
- その他必要な備品や消耗品の補充(ラップ、ホイル、キッチンペーパー、クッキングシートなど)
上記のものは比較的お客様の急な来店にも十分対応ができます。
②在庫確認

落ち着いた営業で、できる業務の一つとして在庫確認ですね。
在庫確認をするうえで4つのカテゴリーに分けてみました
- 冷蔵庫の在庫確認
- 冷凍庫の在庫確認
- バックヤードの在庫確認
- 仕込みをした料理の在庫確認
これは冷蔵庫にどんな食材が在庫されているのか、冷凍庫にどんな食材が在庫されているのか、
バックヤードにストックされている在庫、又は仕込みをした料理などを分けてチェックすることができます。
冷蔵庫の在庫でチェックするもの
冷蔵庫でチェックするものは食材の在庫確認も合わせて
仕込みをした料理の確認も合わせて行います。
そして在庫確認と同時に行うことは
「ラップが剥がれていないか」
「タッパーの蓋はちゃんとしまっているか」
「整理整頓されているか」
などをチェックします。
- ・野菜類(サラダ類、その他野菜)
- ・魚介類(魚、イカ、タコ、貝類)
- ・肉類(鶏、豚、牛、仔牛、仔羊、その他部位)
- ・ソース類(肉のソース、パスタのソース、
- ・チーズやバター
- ・生クリーム、牛乳
冷凍庫の在庫確認
冷凍庫でチェックするものは冷凍可能な、食材の在庫確認も合わせて
冷凍可能な、仕込みをした料理の確認も合わせて行います。
また同じようにちゃんと冷凍保存されているかチェックをします。
「ラップが剥がれていないか」
「袋や箱が破れていないか」
「整理整頓されているか」
などのチェックを行います。
- 肉類(鶏、豚、牛、仔牛、仔羊、その他部位)
- 仕込んだソース類
- 煮込んだ料理
- 冷凍保存された魚介類
- 冷凍保存しないといけない加工食品など
バックヤードの在庫確認
バックヤードの在庫確認と合わせて行うことは
「整理整頓」
「賞味期限の確認」
などが挙げられます。
整理整頓することで誰もが在庫の把握がしやすくなりますし、賞味期限が早いものを手前に置くと、ロスにならずに済みます。
当たり前の事ですが、知るのとやるのでは180℃違うので実践していきましょう。
- 油(サラダ油、オリーブ油、その他油)
- 粉類(薄力粉、強力粉、
- 調味料(塩、砂糖、ワイン、その他調味料)
- 乾物(豆類、チップ類、海藻、胡麻、など)
- 料理で使う消耗品、(ラップ、アルミホイル、キッチンペーパー、シートなど)
※在庫確認をしたら直接自分に関係ない食材でも、食材を使用する担当者に声をかけてあげましょう。
③発注

それでも営業中が落ち着いていたら②の在庫確認でしたことを照らし合わせて発注担当者に
何を発注したいのかを伝えて、発注をしていきましょう。
発注業務として、大体皆さんはFAXを使用されているお店が多いとおもいます。
FAXが設置してある場所というのは大体レジ周りがほとんどだと思います。
近くにお客様がいたり、会計をされている場合はお客様に配慮をする必要があるので気をつけましょう。
④衛生管理
以上の業務を行い、それでも特に手が余ったらできる事と言えば衛生管理ですね。
あくまで営業中ですからガッツリ掃除をしてしまうと急なお客様の来店に対応ができないことがあります。
ここでも状況に応じて掃除出来るところを考え、キッチン内を清潔に保ちましょう。
神様のいたずらに備えましょう笑
- 冷蔵庫の外側の拭き掃除
- 冷蔵庫の内側の整理整頓と拭き掃除
- 食器棚の整理整頓と拭き掃除
- 調味料スペースの整理整頓と拭き掃除
- ガス周りの掃除とメンテナンス
- ダクト周りの拭き掃除
- まな板の漂白(使う分だけは残しておく)
- 収納スペースの整理整頓
- 調理器具の整理整頓
- 油汚れが多いところの掃除
などが挙げられます。
本来は営業中にすることではないですが、気持ちはいつでも営業に戻れる状況を作りながら衛生管理に努めましょう。
その他考えられる事
また、その他考えられる事でやれる業務と言えばどんなことがあるでしょう?
- 伝票整理(これは担当者がいるはずです)
- 包丁のメンテナンス
- 若手スタッフの教育
- 料理の勉強(普段からしておくことが大切です)
- 料理以外の勉強
- 今後の店の戦略
などが挙げられます。
上記に挙げたものは立場や役職によって違いがありますが、「空いた時間にしかできない事」ってあります。
空いた時間をただ無駄に過ごすのではなく有効活用していくために「何が今の自分にできるか」を考えて行動していきましょう。
その積み重ねが1年後2年後、5年後と大きく差がついてきます。
ここで「飲食店の空いた時間にしかできない事」
「今の自分にとって何ができるか[3つの輪]を使って分析しよう」という
記事を後日アップしていきますのでお待ちくださいね。
飲食店で自分のキャリアを考えるにあたり3つの輪を使って分析する方法を紹介
↑リンクしましたのでクリックすると飛ぶようになりました
営業中落ち着いていたらできる事の優先順位のまとめ
「営業中落ち着いたらできる事の優先順位」は店によって、状況によって変わってくるので
一概には言えませんが
考えられることは示したつもりです。
自分の店に置き換えて考えてみてくださいね。
小規模の店から大規模の店でも、落ち着いたらできることは同じです。
これまでの総まとめ
これまで読みすすめてみていかがでしょうか?
飲食店の優先順位を考えるうえで一つの目安になれば幸いです。
店によって考え方ややり方はそれぞれです。
しかし小規模の店や専門性の高い店ほどこのような優先順位を示したものはあまりないかと感じます。
この仕事術は20年間、様々な業態で調理場で働いてきた私の独自の見解と改善点、
今まで働いてきた店の業態で共通するもの全てを分析した上で、飲食店に従事する方々の力になればと思い
この記事を投稿しました。
この中から、あなたの働く店のオペレーションやシステムを考えるきっかけになるはずです。
是非活用してみてはいかがでしょうか?
またこの記事を整理して実際に現場で使えるシートを作成しようかと思っています。
いつかは約束できませんが、(私の手が空いた時かな?)作成した暁にはコピーしまくっても構いませんから
活用してみてくださいね。
全国の飲食店が抱える数々の問題点を改善できる一つのツールとして・・・・
以上です。
( ̄^ ̄)ゞ
では
あっシェアしてくださるとうれしく思います。
きっと同じこと考えて悩んでいる人がいると思うから。。。
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